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コルドバの大モスク

コルドバの大モスク(世界遺産)
スペイン・コルドバ(785〜1101年)

コルドバの大モスクは、メスキータと呼ばれるイスラム教のモスクで、785年に創建されました。その後、幾度かの増築がされ、途中、1547〜1599年に、レコンキスタによりキリスト教の礼拝堂が建て込まれました。

コルドバの大モスク外観1 Photo by @オフィスEight8 2024.05

レコンキスタとは、カトリック教徒の国土回復運動であり、イベリア半島をイスラム教徒から奪い戻すことを意味します。レコンキスタにより現在のスペインという国家が誕生しており、スペイン国旗にもその意味が込められています。

コルドバの大モスク内観天井 Photo by @オフィスEight8 2024.05

スペイン国旗は「血と金の旗」と言われており、黄色は豊かな国土、赤色は外敵を撃退した時に流れた血の象徴、紋章はイベリア半島の初期の5つの国(アラゴン、カスティーリャ、グラナダ、ナバラ、レオン)のものになります。

このような歴史的な経緯があり、キリスト教文化とイスラム教文化が混在した建築物となっています。

コルドバの大モスク祭壇部 Photo by @オフィスEight8 2024.05

モスクは、多柱式の礼拝堂になっており、このモスクに使われた円柱は514本にもなります。

コルドバの大モスク 円柱の柱とアーチ Photo by @オフィスEight8 2024.05

イスラム教は、メッカにあるアッラーを祀ったカアバ神殿が唯一の神殿となっており、そのほかの地域はサラート(礼拝)のためのモスク(礼拝堂:マスジド)をメッカの方向(キブラ)に向けて礼拝できるように建てられています。

礼拝が主であり、多くのイスラム教徒が同時に同じ方向に礼拝することより、横長の列柱ホール型の平面が好まれ、コルドバの大モスクもそのような形態で繰り返し増築がされていました。

コルドバの大モスク列柱と2段アーチ Photo by @オフィスEight8 2024.05

コルドバの大モスクでは、赤いレンガと白い石で構成された紅白縞文様の2段アーチを伴って林立する柱による内部空間となっています。

コルドバの大モスク 2段アーチ Photo by @オフィスEight8 2024.05

これは、イスラム教の教義にて、人間や動物の図象表現が禁止されているためで、これにより、ハギアソフィア、アルハンブラ宮殿、タージマハールなど多くのイスラム建築は、抽象的なモチーフからなるアラベスク模様や、幾何学模様が主流となっています。

また、アーチの形式が多様であることもイスラム建築の特徴であり、半円アーチ、尖塔アーチ、馬蹄形アーチなどさまざまなアーチがみられます。コルドバの大モスクの2段アーチは半円アーチとなっています。

コルドバの大モスクの近くを流れるグアダルキビル川にかかるローマ橋からの眺望を撮影した動画をいただきましたので、ぜひご覧ください。

また、今回はGoogleマップの埋め込み機能を試してみました。


=SpecialThanks=
オフィスEight8
https://www.instagram.com/officeeight8/
https://office-eight-8.my.canva.site/corporatesait
写真の提供ありがとうございます。

スペインにおける世界遺産(遺産50、国境を越える遺産4)
・グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン地区 (1984, 1994)
アントニ・ガウディの作品群 (1984, 2005)
・ブルゴス大聖堂 (1984)
・マドリードのエル・エスコリアル修道院とその遺跡 (1984)
コルドバ歴史地区 (1984, 1994)
・アービラの旧市街と塁壁の外の教会群 (1985)
・セゴビア旧市街とローマ水道橋 (1985)
・アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器時代の洞窟画 (1985, 2008)
・サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街) (1985)
・オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群 (1985, 1998)
・古都トレド (1986)
・アラゴン州のムデハル様式建造物 (1986, 2001)
・カーセレスの旧市街 (1986)
・ガラホナイ国立公園 (1986)
・Cathedral, Alcázar and Archivo de Indias in Seville (1987)
・サラマンカ旧市街 (1988)
・ポブレー修道院 (1991)
・サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミーノ・フランセスとスペイン北部の巡礼路群 (1993, 2015)
・サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院 (1993)
・メリダの遺跡群 (1993)
・ドニャーナ国立公園 (1994, 2005)
・バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダ (1996)
・歴史的城壁都市クエンカ (1996)
・サン・ミジャン・ユソとサン・ミジャン・スソの修道院群 (1997)
・バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院 (1997)
・ピレネー山脈-ペルデュ山 (1997, 1999)
・ラス・メドゥラス (1997)
・アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区 (1998)
・コア渓谷とシエガ・ヴェルデの先史時代のロックアート遺跡群 (1998, 2010)
・イベリア半島の地中海入り江のロック・アート (1998)
・サン・クリストバル・デ・ラ・ラグナ (1999)
・イビサ、生物多様性と文化 (1999)
・アタプエルカの古代遺跡 (2000)
・タラゴーナの遺跡群 (2000)
・ボイ渓谷のカタルーニャ風ロマネスク様式教会群 (2000)
・ルーゴのローマの城壁群 (2000)
・エルチェの椰子園 (2000)
・アランフェスの文化的景観 (2001)
・ウベダとバエーサのルネサンス様式の記念碑的建造物群 (2003)
・ビスカヤ橋 (2006)
・Ancient and Primeval Beech Forests of the Carpathians and Other Regions of Europe (2007, 2011,2017,2021)
・テイデ国立公園 (2007)
・ヘラクレスの塔 (2009)
・トラムンタナ山脈の文化的景観 (2011)
・水銀関連遺産:アルマデンとイドリア (2012)
・アンテケラのドルメン遺跡 (2016)
・Caliphate City of Medina Azahara (2018)
・Risco Caido and the Sacred Mountains of Gran Canaria Cultural Landscape (2019)
・Paseo del Prado and Buen Retiro, a landscape of Arts and Sciences (2021)
・Prehistoric Sites of Talayotic Menorca (2023)

※2023年10月現在,世界遺産は文化遺産933件,自然遺産227件,複合遺産39件を含む1,199件

※ユネスコ世界遺産の公式ホームページ
https://whc.unesco.org/en/statesparties/es

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スペインの歴史都市を旅する48章 (エリア・スタディーズ) 単行本(ソフトカバー) – 2024/5/5
立石 博高 (監修, 著), 小倉 真理子 (著)

2,200円(税込)
以下、書籍の説明文

世界遺産件数世界第5位を誇るスペインは、文化遺産の割合の高さに特色がある。本書では、世界文化遺産を含む歴史地区を擁し、「スペイン世界遺産都市機構」を形成する15の都市にスポットを当てる。臨場感溢れる文章や豊富な写真、各章に連動する映像(累計5時間半!)で誘う、これまでにないスペイン歴史散歩。

◆内容構成◆

はじめに
地図 スペインの世界遺産
地図 スペイン世界遺産都市機構 加盟15都市

第Ⅰ部 スペインの世界遺産と世界遺産都市機構
1 諸文化の積層するスペイン―多様な民族の到来と変化に富む自然環境
2 スペインの文化遺産保護政策の概観―文化財流出・破壊から保存・修復へ
3 「スペイン世界遺産都市機構」の15都市―歴史・文化遺産擁護の共同行動

第Ⅱ部 沿岸地域と島嶼部の歴史都市
サンティアゴ・デ・コンポステーラ
4 サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂―巡礼の終着点に眠る聖ヤコブと大聖堂の芸術
5 旧市街の歴史的スポット―スペインで2番目に大きな修道院と、サンティアゴ最古の教会
6 巡礼の終着地に根付く伝統文化―ガイタの響きと魔除けのアサバチェ、ガリシアの豊かな食文化
[コラム1] サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
タラゴーナ
7 タラゴーナの考古学遺跡群―市内に遺るローマ帝国の痕跡、紀元前に築かれたタラコの城壁
8 タラゴーナ大聖堂と市外の世界遺産―悪魔の水道橋とローマ建築を支えたエル・メドル採石場
9 もうひとつの世界遺産と無形文化遺産―ポブレー修道院、人間の塔とカルソッツの伝統的食文化
[コラム2] 可視化される遺構―ラ・フォン広場の銀行支店内部
イビーサ島
10 スペイン唯一、単独で複合遺産をもつ島―フェニキア人、ローマ人が遺した3つの文化遺産
11 イビーサ大聖堂と島固有の動植物―中世以降と自然遺産ポシドニア
12 イビーサ島の文化―フェニキア人の卵装飾からギネス記録をもつナイトクラブまで
[コラム3] 「白い島」、「塩の島」イビーサ
サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ
13 ラテンアメリカのモデル都市―アデランタード広場周辺の歴史的建築群
14 島内でも貴重な歴史的宗教施設―コンセプシオン教会、大聖堂、サンタ・クララ修道院
15 テネリーフェ島の文化と自然遺産―ゴフィオの味覚とティンプレの音色、自然遺産テイデ国立公園
[コラム4] クリストフォロスとミカエル

第Ⅲ部 内陸部の歴史都市
サラマンカ
16 中世から続く文化・学問の中心地―サラマンカ大学と新旧大聖堂
17 ビリャマヨール石で造られた芸術的な町並み―スペインで最も美しいといわれるマヨール広場とその周辺
18 サラマンカの伝統工芸と食文化―ボトン・チャーロとハモン・イベリコ
[コラム5] ウナムーノとサラマンカ大学
カセレス
19 中世の面影を遺す町―密集する貴族の館
20 イベリア半島最古のアートとイスラームの遺構―先史時代の洞窟壁画と旧市街のの遺産
21 カセレスの多様な文化と第四の宗教―ミシュラン星付きレストランから現代アートまで
[コラム6] カセレスの地方貴族と新大陸の征服・植民
アビラ
22 完璧な城壁を遺す中世都市―スペイン最古のゴシック建築と城壁内の遺産
23 城壁外にも広がる世界遺産―ロマネスク様式とゴシック様式の教会群
24 アビラの聖テレーサ―カルメル会改革の軌跡と聖テレーサ関連遺跡
[コラム7] サント・トマス修道院と異端審問長官トルケマーダ
セゴビア
25 古代ローマと中世の遺産群―スペイン最大のローマ水道橋と白雪姫の城のモデル
26 旧市街に遺る歴史的教会と修道院―イサベル1世の即位と十字架の聖ヨハネの埋葬
27 セゴビアの街歩きで巡りあえる伝統と文化―ヨーロッパ最古の産業建築物と受け継がれる美食
[コラム8] もうひとつの中世・フデリーア(ユダヤ人街)
アルカラ・デ・エナーレス>
28 シスネーロス枢機卿と世界初の計画的な大学都市―アルカラ・デ・エナーレスのコンプルテンセ大学
29 文学で辿るアルカラ・デ・エナーレス―『ドン・キホーテ』だけじゃない、アルカラ文学散歩
30 アルカラ・デ・エナーレスの伝統と文学の祭典―国民的重要観光祭礼の聖週間とセルバンテス文学賞授賞式
[コラム9] 数々の「セルバンテスの家」
トレード
31 タホ川に囲まれた中世の要塞都市―スペイン・カトリックの中枢トレード大聖堂と城塞アルカサル
32 トレードに遺るイスラームとユダヤの足跡―クリスト・デ・ラ・ルス教会、トランシト教会、サンタ・マリア・ラ・ブランカ教会
33 トレードの芸術と伝統―ダマスキナードと刀剣工芸の世界
[コラム10] 「三宗教の共存」とトレード翻訳グループ
クエンカ
34 崖の上の歴史的城塞都市―旧サン・パブロ修道院から宙吊りの家まで
35 クエンカのマヨール広場周辺と崖の上の教会群―アビラと並ぶスペイン最古のゴシック建築
36 クエンカの伝統文化とシウダー・エンカンターダの自然公園―国際的重要観光祭礼の聖週間と18世紀から続くギター工房
[コラム11] クエンカとアーモンド
メリダ
37 古代ローマ帝国最大の植民市―市内に溢れる巨大なローマ遺跡群
38 メリダの水にまつわる歴史と遺産―イベリア半島最長のローマ橋と3つの水道橋、ローマ貯水池と郊外の温泉療養地
39 ローマ時代から現代に伝わるメリダの文化―ローマ劇場の演劇祭、モザイク職人とテラコッタ工房
[コラム12] 「銀の道」の創造

第Ⅳ部 アンダルシーアの歴史都市
コルドバ
40 中世イスラームの栄華―メスキータとメディーナ・アサーラ宮殿
41 市内に広がる世界遺産のモニュメント―古代ローマとイスラームの足跡
42 コルドバの文化と無形文化遺産―郷土料理と伝統工芸、色鮮やかなパティオ祭り
[コラム13] マイモニデスとアヴェロエス
ウベダ
43 ルネサンス建築群の双子都市 ①―アンドレス・バンデルビーラの造った町並み
44 新石器時代から続くウベダの歴史―十字架の聖ヨハネと水のシナゴーグ
45 ウベダの伝統工芸とスペイン屈指のオリーブ畑―オリーブオイルとともに発展したエスパルト工芸と陶芸
[コラム14] 「5月1日広場」の名称の変遷
バエサ
46 ルネサンス建築群の双子都市 ②―神学校や大聖堂に見る芸術的建築
47 町の中心ポプロ広場と旧バエサ大学―ライオンの噴水、旧精肉所、ポプロの家とマチャードの足跡
48 スペインオリーブオイル産業の中核―バエサのオリーブ畑と民俗舞曲「バエサのボレロ」
[コラム15] 「鉛と銀」とシエラ・モレーナ

あとがき

関連動画URL一覧
スペインの歴史都市を旅するためのブックガイド
謝辞

週刊ユネスコ世界遺産 No.10 スペイン(SPAIN)
グラナダのアルハンブラ宮殿 コルドバの歴史地区(中古品)(2004/09/28 アンコール刊行) 雑誌 – 2004/1/1英語版 株式会社講談社 (編集)

844円(税込)

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