ヴォルムス大聖堂(聖ペーター教会)(ドイツ、1090年頃)
ドイツの南西部に位置するラインラント=プファルツ州にある都市ヴォルムスの中心地にある大聖堂です。
ドイツに多くみられるロマネスク建築の教会です。
教会堂の東西両端に各一カ所ずつ内陣を持つ形式である「二重内陣式」となっており、ドイツの聖堂にはタイプが多くみられます。ヨーロッパの聖堂では内陣は1カ所でもう一方を出入り口(ファサードを構成)にしているものが多いので珍しいと言えます。
なお、「内陣」とは聖職者などが使用する教会堂内の奥まった部分のことを指します。通常柵や障壁で区画し大祭壇が安置されています。建築的にはアプス*1)の外周の側廊、周歩廊、祭室を含めて内陣と呼びます。
*1)アプス
建物や部屋に付属して作られる半円もしくは半円形状の平面部分を指します。一般的には建物の外側にまでこの形状が現れますが、内部と異なる形状であることもあり、天井は半ドームをかけていることが多い。ヴォルムス大聖堂のような教会堂では、このアプスを身廊東端に設けて大祭壇を配置しますがほかにも方形の形状のものなどもみられます。
写真引用:ウィキペディア