昨年2013年は、伊勢神宮の式年遷宮が話題となりました。遷宮は冬至と朔が重なる、朔旦冬至に行われ、20年ごとに隣り合った敷地に交互に新しく社殿を造り替えをおこない、ご神体を移しています。
このとき、宝殿外幣殿、鳥居、御垣、御饌殿など計65棟の殿舎のほか、装束・神宝、宇治橋なども造り替えられます。
朔というのは現在でいう所の「新月」であり、最も暗闇の長い夜です。
写真引用:神社本庁サイト
屋根にみえるV字形の飾りが千木(ちぎ)、棟に並ぶ丸太が堅魚木(かつおぎ)
さてこの伊勢神宮ですが、数ある神宮のなかでもここだけは正式名称が「神宮」ですが、最高神(国家神)である天照大神が内宮(ないぐう)に祀られているからです。この直系の生神として天皇家が現在でも受け継がれています。また、理由は定かではありませんが国宝ではありません。
また、天照大神が食の心配をして呼び寄せた豊受大御神が外宮(げぐう)に祀られています。
通常各地の神宮の正殿は「神明造」(しんめいづくり)と呼ばれていますが、ここ神宮の場合は「唯一神明造」と呼ばれます。
この神明造りは切妻屋根に出入り口が桁面にあることより「切妻平入り」と呼ばれています。なお、切妻妻入りでよく知られているのは出雲大社です。
日本の建築設計者がはじめて登場する明治時代に大きな影響を与えたドイツのブルーノ・タウトによる「忘れられた日本」の著書の中に桂離宮や伊勢神宮の見聞した内容が語られています。海外からどうみえるのかを知ることで、理解の深まる事柄も多いかと思います。
最終更新2014.1.6