ファンズワース邸
アメリカ・シカゴ(1950年)
設計:ミース・ファン・デル・ローエ
ファンズワース邸は、シカゴ郊外にあるフォックス川のほとりにある広い林の中に建てられた週末住宅です。
高床式になっているのは、川の氾濫に対しての対応で1.5mほど高くなっています。
折しも現在(2020年5月)川が氾濫して床下浸水しているとの情報がファンズワース邸公式サイトでも写真付きで掲載されていました。
ファンズワース邸公式サイト
https://farnsworthhouse.org/
ミース・ファン・デル・ローエは近代建築の3大巨匠の一人として有名ですが、鉄とガラスを生かした作品を多く設計しています。
このファンズワース邸も鉄の柱とガラスによる大開口が特徴的です。
写真を観察すると、床スラブと屋根スラブがあり、その外側に8本の柱(H鋼)が溶接されているのが分かります。そして、内部には柱がありません。
では内部を見てみましょう。
内部はユニバーサルデザインと呼ばれる柱がない空間になっており、水回りやキッチンを中央に配置したセンターコアタイプになっています。コアの周りが、ワンルーム的に自由に使えるようになっています。
日本にはミース・ファン・デル・ローエのファンがかなりいます、それもF.L.ライトファンと並ぶ熱狂的なファンが^^
私見ですが、おそらく鉄と柱によるシンプルなデザインと高さを抑えたプロポーションが日本人受けするのかとも思われます。日本には大仏様や唐様といった大陸渡来起源の様式と別に、和様という校倉式のような高床式から派生したと思われる和様の様式があります。それらと共通する部分があるように感じます。
そのような美意識は、ミース・ファン・デル・ローエの言葉 Less is more 「より少ないほど、より豊か」にもよく現れています。
なお、ミース・ファン・デル・ローエはバウハウスの3代目校長も努めていました。
写真引用:ウィキペディア