まつかわぼっくす(1971年、東京都)
設計者:宮脇檀(みやわきまゆみ)
RC造+木造の混構造で設計された都心の住宅地内における住宅です。
中庭を中心に配し、道路から向かって左側に平屋の付属室、右側に2階建ての母屋を計画し、中庭との一体感を持たせるため床レベルをできるだけ下げるような計画となっています。
中庭を囲んだコートハウスのような配置形状となっています。
(写真は中庭全体の様子のわかる撮影ができないため道路側からの外観のみ。)
まつかわぼっくすを含め宮脇檀の代表的な作品として、打放しコンクリートの箱型構造と木の架構を組み合わせたボックスシリーズが有名です。
また、宮脇檀は多くの住宅地設計*1)にも関わり、住宅地全体計画としての在り方や、街並み景観の設計手法、コミュニティーの考え方、歩車共存を意識してクルドサック、ボンエルフなどの考え方を取り入れたことでも知られており、以降の住宅地設計に大きな影響を与えています。
1978年に中庭の東側に増築がされており、日本建築学会賞を受賞(1979年)した際にはこの増築部分を含んだ状態になります。
その後、離れが改修され壁が弧を描くような形態となって現在に至っています。
*1)住宅地設計
宮脇檀建築研究室でNo2として活動していた二瓶正史(にへいまさぶみ)(現(有)アーバンセクション)が宮脇の住宅地設計に多く関与しており、現在各所の住宅地設計に影響を与えている。
宮脇檀の住宅地設計
写真:サイト管理者撮影2014年4月