タウンハウス諏訪(1978年、東京都)
設計者:日本住宅公団(のちに住宅・都市整備公団)
戦後(1945年)の復興期にはじまった住宅政策(住宅建設十箇年計画など)は標準化・量産の時代でした。その後1970年代に入るとより豊かさを求めるフェーズに入ります。そのような時期に誕生したのがタウンハウス諏訪です。
タウンハウス諏訪は、低中層高密化・企画型住宅としてコモン(共用庭)のある都市型の集合住宅地です。
58戸の住戸で構成されており、大きく3つの空間構成(囲み型、路地型、開放型)に分類されます。
各住戸は専用庭があり、一方(主に玄関側)にはコモンスペース(共用庭)と呼ばれるまとまりのあるオープンスペースがあります。現状はかなりの緑量があり、豊かな空間である一方、関係者以外は入りずらい空間となっています。
この、コモンスペース(共用庭)から各住戸へアクセスする形式はコモンアクセスと呼ばれています。
また一部には住宅地の外側にある道路から住戸へアクセスできる通路があり、路地アクセスと呼ばれています。主に駐車場からのアクセスで、住宅地内は車両は入れず、歩行者専用の空間になっています。
住戸は、屋根が勾配屋根となっており、長屋形式の低層テラスハウス、そして住棟の雁行配置により、戸建て住宅のような形態と空間が実現された独立性がある住宅地となっています。
その他タウンハウス事例としては、茨城県営水戸六番池アパートがあります。