ジョサイア・コンドル
イギリス、1852-1920
今年(2020年)に没後100年ということで、記念企画などが各所で開催されています。
ジョサイア・コンドル没後100年記念 「コンドルと清泉女子大学本館」 動画公開のお知らせ
https://www.seisen-u.ac.jp/news/20200621-01.php
ジョサイアコンドルは、工部大学校(現東京大学)で御雇外国人建築家として招かれ、1877年(明治10年)に来日しました。
招聘された際の雇用契約の内容としては、工部大学校造家学科教師と工部省営繕局顧問の2つでした。
これにより、日本人建築家の養成をする一方で、日本に本格的な西洋建築を建設するという活動を進めてゆき、建築家という職能を成立させていきました。
こうしてJ.コンドルから学んだ4人の第1期生が卒業していき、その後、在任期間中にあわせて21人の日本人建築家を輩出しました。
《コンドルの主な代表作》
鹿鳴館
東京都千代田区(1883年)明治16年現存せず
設計: ジョサイア・コンドル
文明開花のシンボルとして知られる社交クラブです。政府のもくろむ欧化政策(条約改正)の一環として建てられました。
三菱一号館
東京都千代田区(1896年)明治29年
設計: ジョサイア・コンドル
国内初の本格的なオフィス建築になります。煉瓦造りの地下1階地上3階建となっており、1968年に解体されましたが、2010年に美術館などの複合施設として復元されました。この時に、特例容積率適用地区制度を活用して、東京駅の未利用容積を取得することにより、丸の内パークビルディングと共に一体的に建設されました。
旧岩崎久彌邸
東京都文京区と台東区(1896年)明治29年
設計: ジョサイア・コンドル
親しく交流のあった三菱財閥を興した岩崎弥太郎の本邸になります。
洋館と撞球室(ビリヤードルーム)と和館があり、本格的な洋風建築と和風建築の融合された建築となっています。
ニコライ堂
(1891年)明治24年
写真の現在の姿は1929年に修復されたものになります。
古河邸(現・大谷美術館)
東京都北区(1896年)明治29年
設計: ジョサイア・コンドル
煉瓦造りの2階建の洋館になります。外壁は粗面仕上げによる重厚な印象となっており、内部は1階が公的な空間である一方、2階を和のしつらえのある私的空間となっています。
三井家綱町別邸(現・三井倶楽部)
(1913年)大正2年
第1期生は以下の4人になります。
辰野金吾(1854-1919):イギリス留学
代表作:日本銀行、中央停車場(東京駅)など
片山東熊(1853-1917):フランス留学
代表作:東宮御所(現・迎賓館)など
曽禰達蔵(そね たつどう)(1852-1937)
代表作:小笠原伯爵邸など
佐立 七次郎(さたち しちじろう)(1856-1922)
日本水準原点標庫、旧日本郵船小樽支店など
その他の主な卒業生は以下になります。
妻木頼黄(1859-1916):工部大学校を1882年に中退(多分第3期生)。
アメリカで学びドイツに留学、横浜正金銀行(現・神奈川県立博物館)、赤レンガ倉庫など
久留正道(1855-1914):第3期生。
建築家として活躍。代表作は旧帝国図書館(現・国際子ども図書館)
吉井茂則(1857-1930):第5期生。
逓信省建築家として活躍。代表作は京都郵便局、中京郵便局など。
写真引用:ウィキペディア