パルテノン神殿(紀元前447−432ギリシャ・アテネ)世界遺産
エジプトや地中海周辺は紀元前の建物の残る古い歴史を持つエリアになります。その中の一つにギリシャ・ローマ時代の建築がありますが、とりわけよく知られているのが「パルテノン神殿」かと思います。
紀元前8世紀頃より、ギリシャ人はポリスとよばれる小国家を建設していました。そこでハイレベルな文明を築いてきましたが、都市の要塞エリアである「アクロポリス」と生活エリアとなる「アゴラ」という大きく2つのエリアで都市を構成していました。
アゴラエリアには神殿や議事堂などもあり、「パルテノン神殿」もこのエリアであるアテネのアクロポリスの丘に建築されています。
パルテノン神殿は紀元前432年頃に建設されたと言われていますが、この頃「オーダー」と呼ばれる建築のある意味手法を生み出しています。適当に作るのではなく、序列や配列などルールに基づいて構成する形式が出来上がったと言えます。
そういう意味ではオーダーは建築・設計技術といえます。この世界最古ともいえる建築の手法はウィトルー・ウィウス著作による「建築書」として残されています。現在でも読むことができますし、日本語訳も出版されています。
オーダーには「ドリス式」「イオニア式」「コリント式」の3種類があり、パルテノン神殿においてはドリス式とイオニア式が採用されています。
パルテノン神殿は、神殿の外周部に柱が並ぶ周廊式になっています。ここで使われているのがドリス式のオーダーです。
柱はほんの少し傾けられています。これは床が凹んで見えないようにするための視覚的な工夫です。また、柱の真ん中あたりが少し太くなっているのも安定して見えるようにするための視覚効果の工夫で、エンタシスと呼ばれています。
内部には部屋がありますが、その一つに使われている柱はイオニア式のオーダーとなっています。
現在の姿は大理石の白い色をしていますが、実は当時はカラフルであったことが最近の調査でわかってきています。
歴史の変遷のムービーがYouTubeに公開されていました。
https://www.youtube.com/watch?v=3T7_oi985dg#action=share
写真引用:ウィキペディア