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プリツカー賞受賞者について

現在、下書きストックしていた記事の公開と公開済み記事の改訂作業を進めています。

日本の近代建築設計者の系譜の記事でプリツカー賞受賞者に磯崎新を追記更新をしていたのですが、関連して本記事を作成しました。
日本の近代建築設計者の系譜

 

プリツカー賞 は正式名称は
「The Pritzker Architecture Prize」
と言い、「アーキテクチュア」という言葉があるように、「建築を通じて人類や環境に一貫した意義深い貢献をしてきた」存命の建築家を対象としています。

アメリカのホテルチェーン「ハイアットホテルアンドリゾーツ」のオーナーであるプリツカー一族が運営するハイアット財団から建築家に対して授与される賞です。

 

1年に1人表彰されていますが、副賞として10万ドルとブロンズのメダルが授与されています。

メダルの意匠ははじめはヘンリー・ムーアによる彫像でしたが、1986年以降はルイス・サリヴァンの作品をモチーフにしています。また、世界最古の建築技術書とも言われる「建築書」の著者ウィトルウィウスの3つの言葉が刻まれています。

 

画像引用:ハイアット財団公式サイト https://www.pritzkerprize.com/about

左:「FIRMNESS」=堅牢、右:「COMMODITY」=便利、下:「DELIGHT」=喜び

 

2020年現在、日本人受賞者は昨年受賞となった磯崎新を含め次の7(8)名になります。
せっかくなので代表的な作品を合わせて表にしてみました。よく取り上げられる作品や日本建築学会賞受賞作品のほか、受賞後の作品もピックアップしてみましたので、作品名の頭に建築年を記載しました。資格試験を勉強している方には特に役に立つと思います^^

受賞年 受賞者 代表作品 備考
1987年 丹下健三 1953丹下健三自邸
1953愛媛県民館(旧 愛媛県民会館)
(日本建築学会賞)
1954図書印刷株式会社原町工場(日本建築学会賞)
1955広島平和記念館
1957倉吉市庁舎(日本建築学会賞)
1958香川県庁舎(旧庁舎)
1964国立代々木競技場(日本建築学会特別賞)
1964東京カテドラル
1966山梨文化会館
1967静岡新聞・静岡放送東京支社ビル
1977草月会館
1991東京都庁舎
1996フジテレビ本社ビル
東京計画1960

2005年死去

1993年 槇文彦 1960名古屋大学豊田講堂(日本建築学会賞)
1969〜代官山ヒルサイドテラス
1972加藤学園暁秀初等学校
1985スパイラルビル
1986京都国立近代美術館
1989幕張メッセ
1990東京体育館
1994霧島国際音楽ホール
1997千葉県日本コンベンションセンター国際展示場
2003テレビ朝日本社ビル
2003朱鷺(とき)メッセ
2013フォーワールドトレードセンター
丹下健三研究室出身

著書
見えがくれする都市

1995年 安藤忠雄 1976住吉の長屋(日本建築学会賞)
1981小篠邸(KHギャラリー)
1983六甲の集合住宅
1984TIME’S
1986城戸崎邸(吉田五十八賞)
1989光の教会
1992ベネッセハウスミュージアム
1995ベネッセハウスオーバル
2000国立国会図書館 国際子ども図書館
(安藤忠雄ほか)
2002フォートワース現代美術館(アメリカ)
2004地中美術館
2006表参道ヒルズ
2007 21_21 DESIGN SIGHT
2010年 妹島和世
西沢立衛 (SANAA)
1996岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー
マルチメディア工房(日本建築学会賞)
1998〜2000岐阜県営ハイタウン北方
(妹島和世ほか)
2004金沢21世紀美術館(日本建築学会賞)
2005森山邸(西沢立衛)
2010豊島美術館(西沢立衛)(日本建築学会賞)
2013年 伊東豊雄 1984シルバーハット(自邸)(日本建築学会賞)
1991八代(やつしろ)市立博物館
1996長岡リリックホール
1997大館樹海ドーム(ニプロ・ハチ公ドーム)
2000せんだいメディアテーク(日本建築学会賞)
2003東雲(しののめ)キャナルコート
(伊東豊雄ほか)
2007多摩美術大学附属図書館
2015みんなの森ぎふメディアコスモス
2014年 坂茂 1997羽根木の森
2005ノマディック美術館(アメリカ)
2007ニコラス・G・ハイエックセンター
(日本建築学会賞)
2010ポンピドー・センター・メス(フランス)
2011女川町3階建コンテナ仮設住宅
2014アスペン美術館(アメリカ)
2014大分県立美術館
2015女川駅
2017富士山世界遺産センター
2019年 磯崎新 1960大分医師会館
1966大分県図書館(1988アートプラザ)
(日本建築学会賞)
1974群馬県立近代美術館(日本建築学会賞)
1975北九州市立中央図書館
1986ロサンゼルス現代美術館(アメリカ)
1990水戸芸術館
1991八代(やつしろ)市立博物館
1994豊の国情報ライブラリー
1995京都コンサートホール
1998なら100年会館
著書
建築の解体

※ゴシック印は建築士試験でも出題されたことのある建築作品です。

 

大物建築家としては谷口吉生、内藤廣、隈研吾、などまだまだ候補がいますね。日本人受賞者がとても多い賞ですが、まだまだ層の厚さが日本の建築設計界にはあります。
黒川紀章は亡くなられているので対象にはならないです。

 

参考サイト

ハイアット財団公式サイト

 

記事改訂:2010年6月9日

 

香川県庁舎東館

香川県庁舎東館(旧庁舎)(1958年、香川県)
設計者:丹下健三(たんげけんぞう)

Kagawa Pref Office east01

DOCOMOMO20選*1)に選ばれた初期の丹下建築になります。

元は香川県庁舎の本庁舎として建てられました。1950年代の庁舎建築の代表作であり、鉄筋コンクリート造ですが、柱と梁が日本の伝統建築の木割りのような表現となっています。

地上3階の低層棟は議場・県庁ホール、地上8階+塔屋3階の高層棟は執務室にて構成されています。

1階部分は庭園・広場やピロティとなっており交流ゾーンとして計画されていますが、ル・コルビュジェ*2)の影響がうかがわれます。

上段写真引用:ウィキペディア
















Kagawa Pref Office east02

下段写真:山品映二氏撮影

*1)DOCOMOMO20選
モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織
do.co.mo.mo_japan

*2)ル・コルビュジェ
近代建築三大巨匠と呼ばれる建築家の1人。ドミノ式やモジュロールの発案者。

東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂

東京カテドラル(1964年、東京都)
設計者:丹下健三

Tokyo cathedral01


東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂は、1899年(M.32)に建てられました。木造ゴシック式の聖堂の中に畳が敷かれていたそうです。その後、昭和に入ってからイスが設置されたそうです。

1945年(S.20)に東京大空襲により焼失し、1964年(S.39)に現在の建物となりました。
構造は鉄筋コンクリート造HPシェル*1)であり、ステンレスの仕上げによる十字をかたどった外観が特徴的です。また、内部はコンクリートの打ち放し仕上げとともに音響設計がなされており、頂部の十字に切られたトップライトからの光の演出だけでなく、独特の音場感を抱いた空間を演出しています。
内部に設置されているパイプオルガンはイタリア製で、教会用オルガン*2)としては日本最大です。

*1)HPシェル
Hyperbolic Paraboloid Shell
シェル(外殻)構造の一種。双曲線外殻構造とよばれ、双曲放物線面をもつ殻構造となっており、壁面が柱の役目も兼ねる。
HP面は直線曲面であり、垂直断面が放物線、水平断面は双曲線となる。
力の方向は、上向きに開く放物線方向が引張り力、下向きに開く放物線方向が圧縮力となる。
HPシェルには網形と鞍馬形があり東京カテドラルは8枚のHPシェルを組み合わせた網形である。
なお、楕円放物線面はEP面と呼ばれるものである。

*2)教会用オルガン
明治学院礼拝堂(設計:W.M.ヴォーリズ)のパイプオルガンは、パイプオルガン製作の黄金期(17〜18世紀)の工法すべてを再現した20世紀以降のオルガンとして4台目(日本では初)として知られている。

写真:管理者撮影2014年4月


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