丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
香川県(1991年)
設計:谷口吉生
写真引用:ウィキペディア
駅前に立地する市立図書館併設の美術館である。建築と美術と都市空間が一体となった景観が特徴的であり、駅前の広場に面して壁画と一体化した展示室への入口がある。
本美術館は、交流のあった洋画家の猪熊源一郎自身より「故郷に美術館をつくるから設計してほしい」と依頼を受けて設立に至りました。
画伯からの希望は「買い物ついでに現代アートを楽しんでほしい」というものだったとのことです。
米国のランドスケープ・デザイナーのピーター・ウオーカーや都市計画かの加藤源との協働により周囲の環境と一体の美術館となりました。
(日本経済新聞「私の履歴書」より)
設計者の谷口吉生は丹下健三研究室出身*1)であり、その後、父である谷口吉郎*2)の谷口吉郎建築設計研究所所長として活動の後、谷口建築設計研究所と改名し現在に至る。ストイックなモダニズム建築の代表的な人物の一人といえる。
本美術館は1994年に村野藤吾賞を受賞しているが、ほかにも土門拳記念館*3)が吉田五十八賞(1984年)および日本芸術院賞(1987年)を受賞しているほか、東京都葛西臨海水族園が毎日芸術賞(1987年)に受賞するなど多くの受賞歴を持つ。
最近では、京都国立博物館南門(2007年)や京都国立博物館平成知新館(2014年)を設計して話題になっている。
*1)丹下健三研究室
黒川紀章や槇文彦など多くの著名な建築家を輩出した研究室。
系譜参照
*2)谷口吉郎
東宮御所や帝国劇場、ホテルオークラロビー等の設計者。博物館明治村の初代館長でもある。
*3)土門拳記念館
「古寺巡礼」などで知られている写真家である土門拳の作品を収蔵展示した記念館である。
丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
http://www.mimoca.org/ja/