Browse Category: 西洋

サン・ピエトロ大聖堂

サン・ピエトロ大聖堂
16〜17世紀:バチカン市国

St Peter s Square Vatican City April 2007

旧聖堂*1)の改築により建てられた世界最大の教会堂です。
計画にはミケランジェロベルニーニなどの多くの芸術家が参加しています。ルネサンスからバロック時代にかけて作られた建物です。
ルネサンスでは集中&求心的な平面ですが、この大聖堂はバロック的な軸性の感じられる平面や楕円をモチーフにした形状が見受けられます。

Vatican StPeter Square

中央にある巨大なドームはミケランジェロのデザインがベースとなっており、正面に張り出した長方形の部分はマルデナによる建造です。また、全面広場と「コロネード」と呼ばれる列柱はベルニーニによる建造となっています。

View of saint Peter basilica from a roof

楕円形の広場は軸性が感じられる形状であり、中央には「オベリスク」が配置されています。

*1)旧サン・ピエトロ大聖堂
使徒ペテロの墓の上に建てられた教会堂。現在のサン・ピエトロ大聖堂の前身

写真引用:ウィキペディア

ユニテ・ダビタシオン

ユニテ・ダビタシオン
フランス・マルセイユ(1952年)
設計:ル・コルビュジエ

Unité d Habitation01

近代建築の三大巨匠の1人であるル・コルビュジエによる17階建ての高層集合住宅です。
337戸からなる大規模な集合住宅であり1500〜1600人程度の人々が現在も生活しています。
コルブの提唱していた都市計画を集合住宅でも実現するため、住居のみならず公共施設幼稚園などを計画しています。また、1階は都市計画的な公共ゾーンと捉えたピロティとなっていますが、設計意図と異なり現状は自転車やバイク置き場となっています。
住戸タイプとしては中廊下型の高密度な集合住宅であり、各住戸はメゾネットタイプとなっています。メゾネットの断面形状を活かしてリビングは天井の高さが約4.8メートルの高階高住戸となっており、平面だけではなく空間の高さに豊かさを求めた計画となっています。
住戸間口は3.66メートルとなっているが、各部分の寸法はコルブの人体の寸法を考慮したオリジナルの寸法体系であるモデュロールや黄金比を考慮した設計となっています。

Unité d Habitation02

写真引用:en.wikipedia

ハーレン・ジードルンク

ハーレン・ジードルンク
スイス・ベルン(1961年)
設計:アトリエ5

1024px Halen 002

写真引用:en_Wikipedia

郊外に立地した低層集合住宅です。敷地面積は25000㎡あり、住戸は75戸にて構成されています。

南向きの傾斜面に計画されたテラスハウス(約200人が入居)となっており、公共施設等が含まれているほか広場、ガソリンスタンドなど一通りそろっています。

800px Thalmatt 1 005

写真引用:en_Wikipedia

設計者のアトリエ5のメンバーはル・コルビュジエの設計したユニテダビタシオンの影響を受けているといわれています。
平面計画をみると間口がユニテダビタシオンとおなじ寸法となっており、ユニテダビタシオンを横倒しにしてテラスハウスとして再構成しようとしたともいわれています。
建築家6人にて協同で土地を購入にして建築をしているあたりに思い入れの深さが感じられます。

800px Halen 015

写真引用:de_Wikipedia

低​層​集​合​住​宅​の​新​し​い​方​向​を​示​し​た​建築であり​、​江戸川アパートにみられる生涯を過ごすことのできるアパートとしたコンセプトなど、日​本​の​同​潤​会​ア​パ​ー​ト​や​公​団​住​宅​に​も​影​響​を​与​え​た​作​品​であると考えられます。

ヴォルムス大聖堂

ヴォルムス大聖堂(聖ペーター教会)(ドイツ、1090年頃)

Worms Doom01

ドイツの南西部に位置するラインラント=プファルツ州にある都市ヴォルムスの中心地にある大聖堂です。
ドイツに多くみられるロマネスク建築の教会です。

教会堂の東西両端に各一カ所ずつ内陣を持つ形式である「二重内陣式」となっており、ドイツの聖堂にはタイプが多くみられます。ヨーロッパの聖堂では内陣は1カ所でもう一方を出入り口(ファサードを構成)にしているものが多いので珍しいと言えます。

なお、「内陣」とは聖職者などが使用する教会堂内の奥まった部分のことを指します。通常柵や障壁で区画し大祭壇が安置されています。建築的にはアプス*1)の外周の側廊、周歩廊、祭室を含めて内陣と呼びます。

*1)アプス
建物や部屋に付属して作られる半円もしくは半円形状の平面部分を指します。一般的には建物の外側にまでこの形状が現れますが、内部と異なる形状であることもあり、天井は半ドームをかけていることが多い。ヴォルムス大聖堂のような教会堂では、このアプスを身廊東端に設けて大祭壇を配置しますがほかにも方形の形状のものなどもみられます。

写真引用:ウィキペディア

パリ・旧オペラ座

パリ・旧オペラ座(ガルニエ宮)
フランス(1874年)
設計:シャルル・ガルニエ

Opera Garnier01

セーヌ県知事オースマンによるパリ市街区の整理再構築(パリ大改造計画)が進められる中、設計公募によりシャルル・ガルニエの案が採用され建設されました。












Paris Opera Garnier Grand Escalier 02

外観および内装はナポレオン三世のし好により「ネオ・バロック様式」でつくられました。そのため「スゴンタンピール(第二帝政様式)」とも呼ばれています。
このネオ・バロック様式は、豪華絢爛な装飾や多くの彫刻が飾られているのが特徴です。

また見た目は石造ですが鉄を使用しており、石造では不可能な巨大空間となっています。これにより55m×55mの舞台や2,158の座席が確保されています。観客収容規模でも当時最大の劇場であったといえます。






Palais Garnier03

舞台は「シューボックス型」といわれる形式になっており、舞台と客席の間に「プロセニアムアーチ」と呼ばれる額縁で明確に分けられているのが特徴です。











写真引用:ウィキペディア

落水荘

落水荘(カウフマン邸)
フランク・ロイド・ライト (1936年アメリカ)

Fallingwater01

アメリカのデパート「カウフマンズ」のオーナー、カウフマン氏の週末別荘として設計されたフランク・ロイド・ライトの代表作です。

Frank Lloyd Wright01

F.L.ライト

小さな滝の上に建てられたキャンチレバーで有名です。このキャンチレバーのテラスは7inch(約20cm)くらいのたわみが出て、2002年に鉄骨フレームによる修復がされました。

外観は組積造の仕上げをした鉄筋コンクリート造となっており、滝や周囲の森などの自然と一体化したデザインで有機的な建築となっています。

ハギア・ソフィア

ハギア・ソフィア(アヤ・ソフィア)(573年トルコ)世界遺産


Hagia Sophia01

アヤソフィア、あるいはハギア・ソフィアとよばれる教会堂建築です。
イスタンブールのギリシャ側に立地しています。
アヤソフィアは「聖なる知恵」という意味であり、キリスト教総主教会の教会建築として創建されました。

初期ビザンチン建築を代表する教会堂であり、最大の特徴はパシリカ形式の空間の身廊中央部あるペンデンティヴによる巨大なドームです。
この当時は石造建築が主流ですが、この規模のドームは世界最大級です。
15世紀になるとイスラム教の支配下に移りますが、当時奪取された教会は異教の建築として取り壊されていましたが、ハギア・ソフィアはその貴重さにより
モスクとして使用されるようになりました。

ミナレットと呼ばれる4本の尖塔はそのイスラム政権により増築されたものになります。

Hagia Sophia03

また、ドーム内の壁にはイスラムの文字が描かれた円盤がみられますが、キリスト教支配下のときにキリスト像などが飾られていた場所になります。
(イスラム教は偶像信仰がないため)

キリスト教総主教会からイスラム教のモスクとなり「2宗教の共存」という珍しい建築として知られています。







写真引用:ウィキペディア





ヴェルサイユ宮殿

ヴェルサイユ宮殿 17世紀 フランス

日本では漫画「べルサイユのばら」でお馴染み(?)のヴェルサイユ宮殿は、太陽王と呼ばれたルイ14世が建てたパリ郊外にある壮大なバロック建築の宮殿です。

Vue aérienne du domaine de Versailles par ToucanWings - Creative Commons By Sa 3.0 - 144

引用:partnership wikipedia

元はルイ13世が狩猟の休息小屋を建てたのがはじまりで、その後、ルイ14世が50年に渡って本格的な造営に取り組みました。この時期はバロック様式でした。そして、ルイ15世になると、荘重さよりも軽快で優雅なロココ様式が取り入れられたのち、ルイ16世時代には、新古典主義の様式が取り入れられました。これらの増改築を経て現在の姿となっています。

カサ・ミラ

カサ・ミラ(1912年)
設計者:アントニオ・ガウディ(スペイン)

256px Casa Milà Barcelona Spain Jan 2007

アントニオ・ガウディによる地下1階、地上6階(小屋裏階有)建ての集合住宅です。
外壁のうねるような曲面や波打つファサードが特徴です。
このような外観より地元では石切り場を意味する「ペドレラ」と呼ばれていました。この外観の石はいわばカーテンウォールであり、構造躯体の鉄骨に取付けられています。
このような造形は、ガウディの独特な表現ですが、ガウディの初期の時代に活動していたマヨルカ島にあるドラック洞窟における自然の造形に感銘を受け、このようなデザインをするようになったと言われています。

平面形状は、中庭を中心にまわりを取り囲むような計画となっており、通風採光を期待した光井戸の効果がもたらされている。また、このような環境設備的な面は、屋上の装飾を施した換気塔による室内の換気計画などにもみられます。


320px Interior de las Cuevas del Drach

ドラッグ洞窟には世界最大級の地底湖であるマルテル湖があり、小舟を浮かべてオペラを唄うイベントが行われています。
洞窟での歌声は神秘的な響きを奏でてくれます。



写真引用:ウィキペディア
記事改訂:2016年7月16日

近隣住区理論

産業革命以後、近代の住環境も大きく変化しました。とりわけ人口の急激な増加による住居地域に対する諸問題がクローズアップされていきます。
このような背景より住宅地に対する理論提唱が登場します。とりわけ有名な理論が、アーサー・ペリー*1)による近隣住区理論*2)とE.ハワードによる明日の田園都市*3)です。

事例:ラドバーン住宅地*4)、レッチワース住宅地千里ニュータウンetc

Kinrinjuku01
画像引用:Wikipedia_en




1.規模:小学校を中心とした生活圏の人口面積
2.住区界:住区内の通過交通を排除するため住区の外側に幹線道路を配置
3.空地:小公園、レクリエーション・スペースを住区面積の1割以上確保
4.公共施設:住区の中心部や公共広場周辺に小学校、教会、コミュニティーセンター等を配置
5.商業施設:住区周辺に商店街地区を1カ所以上、隣接住区の店舗群に接して配置
6.住区内道路:街路網は通過交通を防ぐように配置




小学校の校区を標準とする
規模約64ha
人口8,000〜10,000人



*1)Clarence Arthur Perry(1872- 1944):アメリカの社会・教育運動家、 地域計画研究者。
*2)近隣住区理論:1923年概要発表、1929年出版
*3)明日の田園都市:エベネザー・ハワード著1899年
*4)ラドバーン(Radburn):1929年から開発が始まった郊外住宅地。

参考書籍:近隣住区論―新しいコミュニティ計画のために
クラレンス・ペリー (著), 倉田 和四生訳『近隣住区論』鹿島出版会




(最終校正2013年1月5日)


Top