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真野ふれあい住宅


真野ふれあい住宅(1997年、兵庫県)
設計者:神戸市

1995年に発生した阪神淡路大震災後の、応急仮設住宅に入居をしていた高齢者が退居した後の住居としてを中心に入居しているコレクティブハウス*1)になります。

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鉄筋コンクリート造の3階建てとなっており、高齢者向けの住戸として21戸と、一般向け住戸として8戸の合計29戸の住戸にて構成されています。全住戸ともにバリアフリー化され、各住戸内には台所、浴室、便所などがあります。これらのほかに共用施設として共同で利用できる食堂や厨房のほか談話室も用意されています。

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*1)コレクティブハウス
居住者の相互扶助活動を生かして、共同の食事室や託児室などの共用施設を住棟内に設けた協同居住型の集合住宅です。
「コレクティブ」とは集合的、集団的の意味であり、高齢者用コレクティブハウスはシルバーハウスと呼ばれています。

写真撮影:管理者2014年6月

原広司邸

原広司邸(1974年、東京都)
設計者:原広司(はらひろし)

緑豊かな斜面の敷地に計画された木造2階建ての建築家自邸です。
敷地の斜面にあわせて玄関からバルコニーまで降りていくような建物中央部の吹抜けのある空間となっており、トップライトから光が降り注ぐような空間になっています。

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その両側には居室がありますが、それぞれの居室にもトップライトがあり大きな空間の中に入れ子のような形で構成されています。この形態により「住居の中に都市を埋蔵する」ことを意図した構成であるといわれています。

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このような構成は、集落や都市の要素を住宅に取り入れた「反射性住居」と表現されています。
建物の外観は黒色の下見板張りとなっており、周囲の自然にな馴染んでいます。

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写真引用:jiaセミナーの記録
住まいとインテリアプラン

から傘の家

から傘の家
1961年、東京都
設計者:篠原一男

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写真引用:www.sumaiinterior.com

から傘の家の設計者である篠原一男は、清家清の弟子にあたります。
別名キノコの家とも呼ばれるこの住宅は、7.2m角の正方形平面形状をしており、から傘の骨状の方形屋根となっています。
個人、団らん、サービスの3つの機能に分割した平面構成となっており、仕切りを開けるとほぼワンルームになります。これはいわば、昔の間取りでよく見られる田の字型プランの古い民家の土間にあったものを作ってみたいという設計者篠原の考えにより実現されています。

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写真引用:www.japan-architect.co.jp
     JA93号|バックナンバー|新建築 Online

篠原のこの日本の伝統的なものへの関心と考え方は、久我山の家(1954年)、から傘の家(1961年)の発表の後、白の家(1966年)に至ります。この一連の作品の中で篠原は空間の抽象化を試みておりこれらを「象徴空間」と呼んでいました。

つぎの写真は新建築1962年10月号の表紙ですがこの号は住宅特集として篠原一男「から傘の家」、坂倉準三建築研究所「正面のない家」など掲載されており、当時のトレンドがよくわかります。

92887203写真引用:www.yama-semi.com
     古書山翡翠

この当時はから傘の家のほか、正面のない家/K・H(坂倉準三建築研究所)や棟持柱の家Ⅰ・Ⅱ(清家清)など多くの著名な建築作品が世に出ている時代でした。

日本建築学会賞受賞
1971年:「未完の家」以降の一連の住宅
2005年:永年にわたる住宅論と都市論を基盤とした優れた建築の創作活動による建築界への貢献

夫婦屋根の家

夫婦(めおと)屋根の家
1968年、神奈川県
設計者:山下和正

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画家とピアニストの夫婦の家です。コンクリートブロック造の2階建ての構造になっており、ブロックの質感を活かした外観となっています。
1階を生活部分、2階を仕事場に分ける明快な空間構成となっており、2階はアトリエとピアノ室により構成され、それぞれトップライトのある奇棟屋根の形状となっています。

写真引用:ocha.beblog.jp

シルバーハット

1984年、東京都
設計者:伊東豊雄、2013年プリツカー賞受賞(日本人6人目)

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写真引用:art4d.asia

建築家である伊東豊雄の自邸です。中本町の家(White U)のとなりの敷地に建てられました。
中庭を囲む平面構成となっており、中庭上部には開閉可能なテント(通風・日照調整)が計画されています。

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写真引用:nezumi.dumousseau.free.fr

構造はRC造の上に鉄骨のヴォールト屋根がかかり、アルミパンチングにより明るさや仮設の軽快さを出しています。

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写真引用:jaumeprat.com

都市の自然と親しみやすく開放的なつくりと言われていますが、元々は「西の安藤、東の伊東」と呼ばれる程に内にこもる自閉的な建築手法で知られていました。この自邸を機に設計手法がまったく変わり、外へと開けた建築を設計するようになりました。
現在、シルバーハットは伊東豊雄ミュージアムに移築されています。
伊東豊雄ミュージアムサイト
http://www.tima-imabari.jp/

伊東豊雄代表作
せんだいメディアテーク
多摩美術大学図書館など

追記改訂:2017年6月24日

草加松原団地

草加松原団地
日本住宅公団 1962年入居開始 埼玉県草加市

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高度成長期に建設された中層集合住宅を中心とする郊外型大規模住宅団地であり,ボックス型ポイントハウスや,テラスハウスも存在します。

Matsubara danchi 001 Soka Saitama prefecture Japan

完成当時は東洋最大規模と言われたマンモス団地であり、申し込みも第一期においては780戸の募集に対して、10,725件の応募が集まるほどの人気ぶりでした。
中層棟を中心にして周辺に学校や施設などが計画されています。また、自動車は団地内の通過動線がないように計画されており、近隣住区理論の原理が見受けられます。
現在は老朽化により順次コンフォール松原として建て替え事業が行われています。

写真引用:ウィキペディア

まつかわぼっくす

まつかわぼっくす(1971年、東京都)
設計者:宮脇檀(みやわきまゆみ)

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RC造+木造の混構造で設計された都心の住宅地内における住宅です。
中庭を中心に配し、道路から向かって左側に平屋の付属室、右側に2階建ての母屋を計画し、中庭との一体感を持たせるため床レベルをできるだけ下げるような計画となっています。
中庭を囲んだコートハウスのような配置形状となっています。
(写真は中庭全体の様子のわかる撮影ができないため道路側からの外観のみ。)

まつかわぼっくすを含め宮脇檀の代表的な作品として、打放しコンクリートの箱型構造と木の架構を組み合わせたボックスシリーズが有名です。

また、宮脇檀は多くの住宅地設計*1)にも関わり、住宅地全体計画としての在り方や、街並み景観の設計手法、コミュニティーの考え方、歩車共存を意識してクルドサック、ボンエルフなどの考え方を取り入れたことでも知られており、以降の住宅地設計に大きな影響を与えています。

1978年に中庭の東側に増築がされており、日本建築学会賞を受賞(1979年)した際にはこの増築部分を含んだ状態になります。
その後、離れが改修され壁が弧を描くような形態となって現在に至っています。

*1)住宅地設計
宮脇檀建築研究室でNo2として活動していた二瓶正史(にへいまさぶみ)(現(有)アーバンセクション)が宮脇の住宅地設計に多く関与しており、現在各所の住宅地設計に影響を与えている。
宮脇檀の住宅地設計

写真:サイト管理者撮影2014年4月

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スカイハウス

スカイハウス(1958年、東京都)
設計者:菊竹清訓(きくたけきよのり)

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斜面地に4本の壁柱によって浮かばせたような、ピロティの上に2階が浮いたような独特の外観となっています。屋根はHPシェル*1)で構成された方形の緩い傾斜の屋根となっており、鉄筋コンクリート造で作られています。

四間四方(約10m)のワンルーム空間となっており、当時のどの潮流にも乗らない独特の構成となっています。居間、食堂、寝室となる部分を「空間装置」、その周囲にある台所、浴室を「生活装置」と表現しています。特に、生活装置のことを「ムーブネット」と表現し、取り替えが可能なムーブネットという考え方は「メタボリズム」*2)に通ずる理念といえるとともに、近代家族像の理想像が具現化されたと評価されています。
浴室等は「設備ムーブネット」と呼ばれ、増築された子供室は「個室ムーブネット」とされています。

この頃1950年代に建てられた近代的な住宅をさす言葉として、今ではお馴染みの「モダンリビング」という和製英語が登場しました。スタイルというよりは、「近代生活を志向した住まい」という意味合いが強いと考えられます。

写真引用:新建築より抜粋



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*1)HPシェル
東京カテドラルの項参照

*2)メタボリズム
建築や都市は、新陳代謝を通じて成長する有機体であらねばならない」という理念。








写真引用:do.co.mo.mo100より抜粋



Sky house01現在のスカイハウス
当時なかった樋がつけられピロティはふさがれています。
写真:サイト管理者撮影2014年4月
追記:2017年6月24日


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