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明日の田園都市

明日の田園都市
1899年、エベネザー・ハワード(イギリス)
事例:レッチワース、ウェルインetc

800px ハワード 明日の田園都市 3版 02

イギリスでは、産業革命が起きて人口が急速に増えていくことにより住宅地の問題がおきました。
そこでエベネザー・ハワードは都市と田舎の長所を生かした田園都市(ガーデンシティー)を開発することを書籍「明日の田園都市」(Garden Cities of To-Morrow)により提案しました。エベネザー・ハワードは近代都市計画の祖とも呼ばれています。

800px ハワード 明日の田園都市 3版 03

田園都市構想では、都市、田舎、田園都市の3つを磁石に例えて人をひきつけると説いています。

800px Diagram No 1 Howard Ebenezer To morrow

田園都市構想は、3万人程度の限定された規模の自律した職住近接型の都市を郊外に計画する構想となっていました。
土地は公有化するものとし住戸と雇用を備えることで、自立した営みができる職住近接の考え方であり、賃貸住宅は田園都市を運営する土地会社によって運営が行われます。そして、この土地会社による資金を元に、住民によるコミュニティ形成もめざしていました。

800px Diagram No 7 Howard Ebenezer To morrow

構想の考え方ですが、まず小さなサテライトとなる都市を中心のセントラルとなる都市からの放射状同心円の郊外結節点に計画します。

800px Diagram No 3 Howard Ebenezer To morrow

次に各サークルの構成の仕方ですが、同心円上の外側から農業ベルト→工業ベルト→住宅地ベルトと構成します。外側の方に鉄道網を計画することで物資の運搬などの利便性を高めます。中心部には公園や公共施設などを配置します。

このように無制限に規模が拡大するのを制御して各サークルとなる都市と地域をネットワーク化する方法をハワードは提案しました。
そして明日の田園都市構想は、各地のニュータウン計画において多数実現することとなりました。日本においても、鉄道会社がこの田園都市の考え方を基に開発活動をするなど多くの影響を受けています。

画像引用:ウィキペディア

草加松原団地

草加松原団地
日本住宅公団 1962年入居開始 埼玉県草加市

800px Matsubara danchi 003 Soka Saitama prefecture Japan

高度成長期に建設された中層集合住宅を中心とする郊外型大規模住宅団地であり,ボックス型ポイントハウスや,テラスハウスも存在します。

Matsubara danchi 001 Soka Saitama prefecture Japan

完成当時は東洋最大規模と言われたマンモス団地であり、申し込みも第一期においては780戸の募集に対して、10,725件の応募が集まるほどの人気ぶりでした。
中層棟を中心にして周辺に学校や施設などが計画されています。また、自動車は団地内の通過動線がないように計画されており、近隣住区理論の原理が見受けられます。
現在は老朽化により順次コンフォール松原として建て替え事業が行われています。

写真引用:ウィキペディア

近隣住区理論

産業革命以後、近代の住環境も大きく変化しました。とりわけ人口の急激な増加による住居地域に対する諸問題がクローズアップされていきます。
このような背景より住宅地に対する理論提唱が登場します。とりわけ有名な理論が、アーサー・ペリー*1)による近隣住区理論*2)とE.ハワードによる明日の田園都市*3)です。

事例:ラドバーン住宅地*4)、レッチワース住宅地千里ニュータウンetc

Kinrinjuku01
画像引用:Wikipedia_en




1.規模:小学校を中心とした生活圏の人口面積
2.住区界:住区内の通過交通を排除するため住区の外側に幹線道路を配置
3.空地:小公園、レクリエーション・スペースを住区面積の1割以上確保
4.公共施設:住区の中心部や公共広場周辺に小学校、教会、コミュニティーセンター等を配置
5.商業施設:住区周辺に商店街地区を1カ所以上、隣接住区の店舗群に接して配置
6.住区内道路:街路網は通過交通を防ぐように配置




小学校の校区を標準とする
規模約64ha
人口8,000〜10,000人



*1)Clarence Arthur Perry(1872- 1944):アメリカの社会・教育運動家、 地域計画研究者。
*2)近隣住区理論:1923年概要発表、1929年出版
*3)明日の田園都市:エベネザー・ハワード著1899年
*4)ラドバーン(Radburn):1929年から開発が始まった郊外住宅地。

参考書籍:近隣住区論―新しいコミュニティ計画のために
クラレンス・ペリー (著), 倉田 和四生訳『近隣住区論』鹿島出版会




(最終校正2013年1月5日)


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